月光~都会のとある裏組織~



「今日俺かよー…」

とぼとぼ歩いてくる楽火

「当番はしっかりする!
十和よろしくね。」

玄関にいる十和に言う立波

「げっ…しかも十和っ…」

「よし、行くぞ~楽火」

楽火は正直、
十和が苦手であった。

十和に弟呼ばわりされるのが
とてつもなく嫌なのだ。





立波たちに見送られ
路地へ出た楽火と十和

「で、何買うんだ?」

「りつがカレーって
言ってたから肉とかだな」

「カレー…ねえ」

「俺さ、りつの作る料理
好きなんだよなぁ」

苦手な理由はもうひとつ。

「十和ってよくそんな
恥ずかしいこと言えるよな」

十和は素直で思ったことは
隠さない性格のため
楽火とはその辺りに
おいては正反対であった

「楽火も好きだろ?」

「別に、普通なんじゃね」

「好きだから
おかわりするんだろー?」

「う…」

十和には嘘は通用しない。
楽火はそういう意味でも
いつも調子を狂わされる

そうしている間に
路地を抜け商店街へと出た。
路地裏から延びる道は
色々なところに続いているため
ある意味便利なのだ
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