月光~都会のとある裏組織~
どこにでもある商店街を歩く
会話といえば十和が一方的に
楽火に話すのを楽火が答える

歩いている途中に
すれ違う人々は皆、
普通の人で。
楽火や十和が日々している
ことなど知るよしもない。



「お腹すいたなぁー」

「夕方だもんな」

楽火は十和の話を
軽く聞き流しながら
ふと通り過ぎる路地を見た

ふと見たその路地に
動く黒い影。


「楽火?どうした?」

「…写真の奴だ」

「写真?」

楽火は駆け出した

その黒いマント姿は
確かに梨梨から
送られてきた廃ビルの
者そのものだった

「…っ楽火待て!」

楽火は十和の声に構わない


路地に入った
その時だった。

「…なっ」

明らかに後ろにいた十和が
目の前にいて路地を
塞ぐようにして立っている

「そこどけよ」

「買い出し中だろー」

いつものように言う十和
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