月光~都会のとある裏組織~



特に食事中はいつも
うるさい楽火が一言も
話さずに淡々とカレーを
食べている姿に梨梨をはじめ
月光のメンバーは皆、
驚きを隠せずにいる

十和はあきれたように
見守っている

楽火は最後の一口を
食べ終わると
さっさと食器を流しに
置いて食堂を出て行った


「…ね
楽火なんかあった?」

梨梨が十和に言った

「いやぁ、困ったなー」

「明日には直ってるでしょ
あいつ単純だからね」

「そうかな…」

さらっと言う立波に対して
梨梨は心配そうな顔をする


「いつもうるさいから
丁度いいんじゃね」

「ちょっと、黄里まで…」

黄里の呟きでさらに
深刻な顔になる梨梨


「僕…部屋戻るね」

「なんかあったら言ってね?」

狐狛は楽火と同室なのだ

狐狛は「うん」と返事をすると
楽火と同じように
食堂を出て行った
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