月光~都会のとある裏組織~
*
「梨梨ちょっといいか?」
食後、誰もいなくなった
食堂で洗い物をしている
梨梨に話しかける十和
「あの廃ビルの奴ら、
相当強いぞ。」
「…私もそう思う」
「しばらく手を引いた方が
いいんじゃないか?」
十和も梨梨も直接見て
黒マントの男たちの
強さを感じていた
「強いからって手は引けない。
誘拐なんて絶対許せない…」
「…梨梨?どうした?」
「あっ…ごめん
誘拐は嫌だなーって思っただけ」
十和は梨梨が一瞬
目を伏せたのが気になったが
深く考えないことにした
「まあ隊長がそう言うんだったら
その通りだ、頑張らないとなー」
「ありがとね
それじゃあ私は
楽火の様子見てくるね」
梨梨はタオルで手を拭くと
キッチンから出てきた
「俺は風呂入ろー」
各部屋には
シャワールームが
完備されている
「それじゃっ」
梨梨は手を振り
食堂から出て行った