月光~都会のとある裏組織~
*
次の日の朝のこと
廊下を早足で歩き
十和と黄里の部屋に
向かう梨梨
「よしっ」
梨梨は部屋の前に
立つとドアノブをまわした
ガチャ
電気の付いていない
狭い部屋にベッドが
両脇に2つ
部屋に入った梨梨は
部屋の真ん中を通って
奥の窓のカーテンを
シャっと開ける
朝日が入ってきて眩しい
そして入り口から見て
左側のベッドに近づき
寝ている十和に声をかける
「朝だよーっ」
窓から差し込む光に
反応したのかゆっくりと
目を開ける十和
「梨梨…」
「起きてー?」
「ん…まだ眠い…」
十和は再び目を閉じて
布団をかぶり直した
「もー…」
子供みたい…。
ふと隣のベッドを見ると
布団は綺麗にたたまれている
「偉いなあ…」
ベッドの主である
黄里を想い呟いた
「十和も黄里を
見習ってよね!
食堂で待ってるよ」
そう言い残し部屋を出る