月光~都会のとある裏組織~



「黄里ー?
何してるの?」

「りつか。」

立波が作業部屋を通りかかると中で何やら黄里が作業をしていた


「何してるの?」

「調整。」

「ん?」

特に用事もなかったので、立波は部屋に入り近づいて黄里の手元を覗いた。
そこには6つの手のひらサイズの機械があった

「これ何?」

「…通信機」

黄里は作業を黙々と続ける
立波はそれをみて質問するのをやめ、じっと見守った



「終わった。」

5分も経たないうちに黄里はそう呟いた


「りつ、これつけてみて」

黄里は完成したばかりのその機械を立波に渡す


「こう?」

立波は黄里に言われた通り、耳に装着すると小さく“ピピッ”と音がした


『あー 聞こえるか?』

すると目の前にいる同じ機械をつけている黄里が発した声が耳もとの機械から聞こえた


「え、凄いっ!」

「話す時は側面を軽く触れながら話すといい」


『こう? あーあー』

『聞こえてるよ』


「これ面白いねっ」

「あったら便利だろ」

「すごい助かる、こういうの!
ありがとう黄里」
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