月光~都会のとある裏組織~




ここはとある都会の裏路地に
ひっそりとたたずむ建物の中

ある部屋でパソコンに
向かってひたすら
キーボードを叩く黄里(きさと)と
それを横から見守る立波(りつは)

そして、退屈そうに部屋の隅で
キャスター付きの椅子の背を
揺らしながら漫画を読んでいる楽火(らっか)


「見つかった?」

「もうちょっとかかる。」

パソコンの画面には
青色の背景のサイトが
開かれており
左上には“POLICE”と
かかれたロゴ

画面中央には“IDとパスワードを
入力して下さい”と出ている

黄里はまるで、
もとから知っていたように
数字とアルファベットを
素早く打ち込んでいく


「出来た。」

黄里がそう言うと後ろにいた楽火が
どれどれ?と画面の近くに来る


「…行方不明者13名か、
しかも未公開だし。」

背景は黒に変わり、
警察のサイトとは思えないほど
暗いものだった

「ちょー怪しいじゃん!
突入しようぜ!」

「だめだめ!
どんだけ戦いたいのよ」
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