【短】SKIP!!
◆亜澄SIDE◆


いつの間にか祈るように


握られたあたしの手。


いよいよ決勝戦。


透哉君を見つめてたら、


透哉君が気づいた。


口パクで何か言ってる。


『見てろよッ!!』


そんな透哉君に微笑み返す。


選手は皆、手や脚を動かしている。


「位置について!」


とうとう決戦のとき。


選手は挨拶をし、ヒザをつく。


透哉君、頑張って!!


「用ー意ッ!!」


一気に会場が静まり返る。


バンッとピストルが鳴り響く。


選手は一斉に夢へ向かって


スタートを切った。


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