星のように
遅刻
「あっ!」
1つ1つ
また1つ。
きらきら輝いて
空に消えていく。
そんな流れ星に
あたしはいつか
願いを言える時が
くるだろうか。
そんな事を考えるあたし。
黒崎高校の1年、
笠原 りいな
どこにでもいるような高校生。
でも1つだけ、
特徴がある。
右目の下にある泣きぼくろ。
なにげなく
はーとを半分にしたような形。
あたしのチャームポイント。
朝、目が覚めると
メールがきていた。
『おっはー!!
今日はぴんくだってっ!』
そんなメールを送ってきたのは
あたしの親友の1人、
山田 ほのみ
いつも元気で明るい
かっわいー女の子。
メールの通り
ぴんくのマニキュアを塗って
人さし指だけ黄色に塗った。
丁度乾いたときに
「りーいーなー」
お母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
時計をみると
寝坊していた。
着替えながら
急いで下に降りると
いちごジュースとジャムパンがあった。
「ぴんくだらけだ」
そんな事をいいながら
いちごジュースだけ飲んで
家をでた。
駅まで全力で走って
あたしの乗る電車が見えてきた。
「間に合ったああー」
そう思って歩き出したら、
----ピー----
『ドアが閉まります、ご注意ください』
あたしの目の前でドアが閉まった。
「ええ、それはないっしょ、おいおーい」
大きな声で独り言を言うあたしを
みんなじろじろ見る。
恥ずかしさのあまり頭をかいた。
「うはははっ」
大きな笑い声が聞こえると同時に
あたしは勢い良く後ろに振り返った。
「おまっ、それ反則っっ」
でた、裕也だ。
佐藤 裕也
あたしの友達であり
あたしの幼馴染だ。
イケメンなのかなんなのかあたしには分からないが
毎日、毎日告白の嵐だ。
そんな大爆笑してる裕也をみると
あたしまで笑ってしまう。
たくさん笑ったら
すぐ次の電車がきたから
一緒に乗った。
電車に乗ってから
携帯を裕也と一緒に
恐る恐る見る、
画面が見えると同時に
「はーい、遅刻決定ー!!」
楽しそうに言った裕也
「まっ、いっか!!」
そんなあたしも笑う。
完全に遅刻した
ある一日だった。