30秒と100万人(仮題)
ニュースを見ても特に内容を聞いている訳でもなく、

ただの暇つぶしとして見ているだけだ。


テレビ画面の左上にある時刻は8:03とあり、

まだ登校時間まで30分弱の余裕がある。


スクールカバンからタバコを取り出しテーブルにある灰皿を近づけて、

ライターを手に取って着火して一服しながら前原が寝ているベッドに目を向ける。


箱型と丸型の片手位の大きさの目覚まし時計が転がっている。


この2つの目覚ましアラームを久しく聞いていないせいか、

若干埃被っている様にも見える。


ある種俺が目覚まし代わりでもあるからか、

アラームを鳴らす役目を失った目覚まし時計はただ秒針が音をたてながら動いている。


それから10分位後にテレビの音に気が付いたのか前原が目を醒ました。
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