30秒と100万人(仮題)
この黒いものは何?

本当は知ってる。

周りが真っ暗で黒にしか見えないけど

鉄分を含んだような臭いは知っている。


最初は液体

次第に暗黒色になって固まっていくもの。

これを見て臭いを感じると頭にとある声が流れる。

電波から無機質な機械に変換された人の声が、

弱々しく

絶望した

もう全てを悟った様な声が

頭に流れてくる。


『どうして……
 
 人は生まれて……

 死んでいくのかな……』


< 5 / 26 >

この作品をシェア

pagetop