魅惑のハニーリップ
 次の日、お昼休みに優子と社食でランチを食べていたら、久し振りに佐那子さんが現われた。

「ふたりともいたいた~」

 佐那子さんはとびきりうれしそうな笑顔で、私たちのテーブル席の空いた椅子に座る。

「佐那子さん、久し振りですね」

「そうねー、同じ会社にいるのに会わないもんね」

 優子と佐那子さんがそんな会話をしてるのを聞いているのも、なんだか楽しい。
 私は本当に同僚には恵まれていると思う。

「今日はふたりにこれを渡しに来たんだ」

 佐那子さんがバッグの中から封筒を取り出して、私と優子にそれぞれ渡す。

「なんですか? これ」

「二次会の案内なの」

 そうか。佐那子さんの結婚式は、もう来週末だ。

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