魅惑のハニーリップ
「ふたりとも二次会にも来てくれるんでしょ?」

「あったりまえじゃないですか!」

「二次会は堅苦しい人はいないから、思いっきり楽しんでね!」

 私たちは一応披露宴にも呼ばれているけれど、披露宴は親戚や会社関係のお堅い方たちも出席する。

 佐那子さんは社長のご子息と結婚するから、もちろん父親である社長も、会社の重役たちも出席される。
 そうなると、私たちにはやっぱり緊張が付きまとう。

 結婚式は来週の土曜日。
 そのころには、私の転職のこと……結論出せるかな?

「遥ちゃん、どうかした? なんか元気ないじゃないの」

 突然佐那子さんにそんなことを言われ、正直驚いた。

「ですよね? 遥、私だって気付いてたんだからね!」

「へ?」

「遥は自分で思ってるより顔に出るタイプなんだから」

 なんと優子にまでそんなことを言われるなんて。
 千秋との転職の話を考えていたら、それが自然に顔に出ていたのかもしれない。

 私って、隠し事ができないタイプなんだ……



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