魅惑のハニーリップ
「遥はどうなの? 和久井さんのほうがいいとか?」

「……そんなこともないけど」

「けど?」

 なんとなく言葉を詰まらせる私に、優子が視線を突き刺してくる。

「実はね、明日デートなんだ。……和久井さんと」

「え? マジで?!」

 別に隠す必要はないから、優子には正直にすべて話した。
 和久井さんに誘われて、明日デートをすることを。

「和久井さんもゲンキンだね。締め日が終わってからデートに誘うんだもんね」

「あはは。そうだね。でも、今日は忙しいんだよ。営業部だもん」

「っていうかさ、遥はそれ、さっき宇田さんに言ったの?」

「え?」

「和久井さんと明日デートだって、宇田さんに言った?」


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