Dolls
父の時は、たまたま学校で課題を片付けていた日だった。


いつのまにか時計は夜の8時を回っていて、慌てて駅へ向かったのだが、その途中、父と知らない女の人が二人でホテルに入って行くのを目撃してしまった。


特に驚きはしなかった。
“こんなのはよくあること”と納得してしまう方が先だった。


家に帰って母に会っても、父のことは話さなかった。
父のためではない。
話したところで、私にはメリットが無いからだ。
もしそれが原因で家庭崩壊、離婚なんてことになったら、今の何不自由ない生活が無くなってしまうだろう。


大学へ進学を考えてる私は、それだけは避けたかった。
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