大好きなんです。
あたしの腕を掴んで星川さんの手を振り払う知樹先輩。
無理矢理離して歩き出す。
後ろを振り返ると星川さんが立ちすくんでいた。
「本当ごめん…」
前髪をくしゃっとさせて言う知樹先輩。
知樹先輩は悪くないと思うのに……
「大丈夫です、謝らないで下さいよ…。」
「だけどまた、莉乃ちゃんに嫌な思いさせたから……」
すごい気遣ってくれるのは嬉しいけど……
こんな知樹先輩いつもと違うよ…。
それからはなんともなく知樹先輩の家に着いた。
「莉乃ちゃんひっさしぶりー!」
悠梨さんはハイテンションで…。
「お久しぶりです!」
そのままあたしに抱きついている。
「莉乃ちゃん困ってる、離してあげなよ!」
「何?あ、妬いてんの?知樹妬くな!」
「妬いてなんかない!いいから離して!」
知樹先輩と悠梨さんを見てるとやっぱ姉弟なんだなって……
あたしと遥斗、全然こんなかんじじゃないし…。
ん、その前に知樹先輩たちの話に妬くとか妬かないとか……
ちゃんと聞こえなかったけどまぁいいや。