大好きなんです。
5th。
二人の距離
あたしが着く頃には知樹先輩はもういた。
いつも待たせちゃっている気が…。
「莉乃、帰ろ!」
「はい!」
いつもと同じように同じ道他愛のない会話をして帰る。
「そういえば、花火大会の事聞いたー?」
あっ、まだだ…。知佳なんか言ってたかな…?
あの花火大会っていう紙をもらったくらい。それ以外聞いてないような…。
「すいません、まだです…。」
「だよね、風汰もなんも言わないし……」
「じゃあ、あたし知佳に聞きます!」
「本当に?ありがと!」
あたしの頭にポンっと手をおく知樹先輩。
最近これ多いような…。でもあたしはこれやられるたびにやけが止まらなさそう……
「莉乃、赤い…。」
えっ?やっぱばれちゃうのかな……
「違います、そんなことないです!」
「そうかなー?」
「そうです!!」
ふふっと笑ってあたしの前に来る知樹先輩。
するとあたしの額にまた知樹先輩の唇が触れた…。