大好きなんです。
「ん、なーに?」
首を傾げて微笑みながら言う知樹先輩。
う、可愛すぎる…。
あたしの大好きな仕草。
毎回、いっつも見惚れちゃっていると思う…。
見惚れちゃう…って、告白告白!
「あの、えっと……」
あ、あれ…?言葉が出てこない…!
知佳と練習の時は言えてたのに!
いざとなると出てこないよ………
「好き」っていう、たった二文字なのに…。
「莉乃、どうかしたの?」
「あ、あの、えっと、その……あ、あたし……」
あー、やっぱり出てこないよ!
こんなんじゃ知樹先輩呆れちゃう!!
それにこんな機会とてもじゃないけれど、ないかもしれないんだし……
今日でも言う時は今しかない気がするし…。
「た、多分気付いていたと思うけど……」
「う、うん…?」
「あ、あたし知樹のことが……」
「俺のことが?」
好きってたった二文字。
ずっとずっと想ってた気持ち。
もう可愛く見えてなくてもいい、あたしはちゃんと伝える!
「……知樹のことが好きです!」