大好きなんです。
あたしも知樹先輩の背中に手を回す。
そうすると、もっと強く、優しく抱きしめてくれて。
「良かった、俺莉乃にごめんとか言われたら立ち直れないよ。きっと!」
知樹先輩が明るく笑いながら言う。
「あ、あたしもですよ…。」
本当に良かったと小さく囁く知樹先輩。
「……莉乃は俺と付き合ってくれる?」
抱きしめられながら耳元で言われる。
赤くなっていくの自分でも分かる…。
「は、はい…。もちろんです…。」
「……やった。俺の莉乃だ。」
俺のを強調して言う知樹。
「じゃあ、あたしの知樹です…。」
あたしも負けじと言い返す。
「俺は莉乃のだよ…。ずっと、ね?」
頷いてもっと近づくように抱きしめる。
遠くで、最後一発の花火のアナウンスが流れる。
花火は全然見えてなくて、アナウンスも全然聞こえてなくて、あたしは知樹でいっぱい。
「ねぇ、莉乃。キスしていい?」
「……へっ?」
知樹があたしの唇を指でなぞる。
「あの時からずっと、莉乃に触れたかった。」
あの丘に行った時…。
あたしと知樹が初めてキスした日。
「は、はい…。あたしも知樹とキ、キスしたい、です………」
「嬉しいこと言ってくれるね、莉乃。」
顎をクイっと持ち上げられあたしと知樹の唇が重なる。
最後の花火と同時に……