あたし


ニコっと笑顔になった高野先輩は話し始めた。



「俺,初めて瑠璃ちゃん見たとき…正直可愛いなぁって思ったんだ。」



あたしは,ただ静かに座って聞いていた。



「だけど瑠璃ちゃん,すっごい事いろいろ言われてたし…瑠璃ちゃんってそういうコなのかな−とか思ってたんだけど…」



高野先輩の真剣なんだけど照れている声が,秘密基地に響いている。



風で木の葉が揺れる音も聞こえないほど,あたしはその話を真剣に聞いていた。
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