ピンク☆ゴールド【短編】
「…行ってきな。」
柔らかく口元を上げると、会長は、私の身体の向きを変え、トンッと背中を押した。
「そんな情けない顔、やめろ。お嬢は笑ってるべきだよ。」
その言葉には、幾つもの会長の優しさが詰まっていて、今の私には、涙が込み上げてくる程だった。
「会長…ありがとう。」
「いや、俺は何もしてないよ。俺は、お嬢が元気なのが、一番だからさ。」
会長は、本当にいい人だ。こんなに人の事、第一に考えてくれる人は、なかなか居ない。
本当、ありがとう…会長。
「じゃあ、またな。」
「はいっ。」
―――……。
私はひたすら走っていた。
まだ学校に居るのかさえ、分からないのに……。
でも、あいつならきっと、ここに居るって思ったんだ―。
私とあいつの秘密の場所。
私達だけが、特別に入る事が出来る、内緒の場所。
例え傷ついたって、怖くはないよ。
『貴方とちゃんと向き合おう』って決めたんだ。
私の想い、届いてほしい。
貴方の気持ちは解らないままだけど…それでもいいんだ。
貴方に知ってほしい。
ただそれだけでも………。
この想いを胸に抱きしめ
私は、重い扉を開いた――。
柔らかく口元を上げると、会長は、私の身体の向きを変え、トンッと背中を押した。
「そんな情けない顔、やめろ。お嬢は笑ってるべきだよ。」
その言葉には、幾つもの会長の優しさが詰まっていて、今の私には、涙が込み上げてくる程だった。
「会長…ありがとう。」
「いや、俺は何もしてないよ。俺は、お嬢が元気なのが、一番だからさ。」
会長は、本当にいい人だ。こんなに人の事、第一に考えてくれる人は、なかなか居ない。
本当、ありがとう…会長。
「じゃあ、またな。」
「はいっ。」
―――……。
私はひたすら走っていた。
まだ学校に居るのかさえ、分からないのに……。
でも、あいつならきっと、ここに居るって思ったんだ―。
私とあいつの秘密の場所。
私達だけが、特別に入る事が出来る、内緒の場所。
例え傷ついたって、怖くはないよ。
『貴方とちゃんと向き合おう』って決めたんだ。
私の想い、届いてほしい。
貴方の気持ちは解らないままだけど…それでもいいんだ。
貴方に知ってほしい。
ただそれだけでも………。
この想いを胸に抱きしめ
私は、重い扉を開いた――。