Vサイン ~嘘から始まる恋~
「それでは、一年間よろしくお願いします」
担任の先生は、明るくて優しいおもしろい先生だった。
これから一年間、楽しみっ♪
「ねね、隣の子。結構かっこよくない?」
「へ?」
菜々が後ろの席から、うちの耳元でささやいた。
菜々が言っているのは、一つ通路を挟んである列に座っている男子のこと。
他の小学校の男子かな…?
教科書をてさげにしまって席を立ったところだった。
そして、教室をゆっくりと出て行ってしまった。
あんまり男子とかかわったことのないうち…。
男子ってちょっぴり苦手で初恋もまだ…。
恋愛未経験のうちには彼の良さがよくわからなかった。