親愛なるシャボン玉
新聞に目を落としたままの父親に、声を出さずにあっかんべぇーした。

「こら、羽瑠っ!!」
その声を背中に受けながら、出かける支度をする為に二階に駆け上がった。

自分の部屋に入ると、再び窓を開け放った。

空気も、空の青も見たこと無いぐらい澄んでいた。
吹く風は優しくて、サクラを思わせた。
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