親愛なるシャボン玉

ハナビ

幼い頃から、美しいものを“美しい”と素直に表現できない子供だった。

家族で花火大会に行き、『綺麗ねぇ』と言う母親に、『そうかな』と答えた。

“淋しい子ね”と返ってきた。

(確かにそうだな)と思った。
言葉には……しなかった。
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