狼系王子とナイショの社内恋愛


「ゆう……っ、ふ、んぅ……!」

結城さん、やめてください!
言おうとした言葉は、ほとんど声にはならずに結城さんの咥内に消えていく。

「んー……!」

胸を押し返そうとするけれど、うまくいかない。
すごい力だった。

それでも、入り込んできた舌に驚いて抵抗してみたけれど。
覆いかぶさるようにしてキスする結城さんに、私の力が敵うハズがなくて。

こもった声がふたりの熱でかき消された。

かなり強引の、無理やりのキスだった。
結城さんの腕は私が身動きひとつ取れないくらいにきつく抱き締めているし、キスだって荒々しい。
唇を奪うっていう表現が本当にぴったりのキスだった。

「ゆう、き……っ、さ……」

キスの合間に呼んではみたけれど……。
結城さんがやめてくれる気配はなくて、どうすればいいか分からなくなる。

だって、こんなに求められた事なんて今までなかったから。
伝わってくる想いが熱くて、それに困惑していた。


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