狼系王子とナイショの社内恋愛
荒々しかったキスが徐々にスローに……情熱的に変わっていく事に気づいて、薄く瞳を開けてみる。
目の前には私を見つめる結城さんがいて、キスしているにも関わらず目が合うから、恥ずかしくなって逃げようとしたけれど。
ふっと小さく笑った結城さんに抱きすくめられるまま、強制的に続けさせられる。
こんな恥ずかしいキスを他に知らないし、こんな溢れるようなキスも……私は知らない。
こんなの初めてだ。
結城さんとの長い長いキスに、ゆっくりと目を閉じた。
「大丈夫ですか?」
やっと色々と解放されて、ぐったりとして結城さんの胸に顔を埋める。
そんな私を優しく抱き締めてくれた結城さんにそう問われて、ハっとして離れた。
「路上で何するんですか……っ」
「大丈夫ですよ。周りに人がいないのは確認したし。まぁ車は数台通りましたけどね。
どうせ酔っ払いかバカップルくらいにしか思われてないから平気ですよ」
「大丈夫なわけないじゃないですか! セクハラですから! 岡村さんの事言えないじゃないですか!
ものすっごいセクハラです! っていうか犯罪です!」