狼系王子とナイショの社内恋愛

「少し……自分勝手に動いてみようかな」

私を避けている結城さんにこっちから近づくのは、やっぱり怖い。
拒絶されたらどうしようって不安もたくさんある。

だけど、だからって……課長との時みたいに、何もせずに終わってしまうのも嫌だから。
志穂の言うように、思うまま動いてみてもいいのかもしれない。

「結城さんとこのままなのは嫌だから」

私の言葉に、志穂がにっこりと笑う。

「ぶつかって弾き飛ばされたらいい男紹介してあげる」

まだぶつかっても弾き飛ばされてもいないっていうのにそんな縁起悪い事を平気で言う志穂に、苦笑いがもれた。