狼系王子とナイショの社内恋愛


送信完了の文字を見た途端、また怖いって気持ちが襲ってきたけれど胸に携帯を当ててぎゅっと握りしめた。

怖いけど、だからって訳も分からないでこのままの関係なんて嫌だから。
課長の時みたいに気持ちを飲み込むんじゃなくて、ちゃんとぶつけなくちゃ。
なんで急に避けるのか、結城さんの気持ちをちゃんと聞きたい。

もう……ただ、ごめんの一言で終わりにされちゃうのは嫌だ。
あんな一方通行みたいなお別れの仕方は嫌だ。



「高橋さん」

仕事が終わった後寄ったお店は、会社とアパートの間くらいにあるカフェだった。
一度、結城さんとも寄った事のあるお店だ。

そこに19時にって、結城さんをメールで呼び出した。
私の事が嫌いになっていたとしても、絶対に来てくださいって。


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