狼系王子とナイショの社内恋愛
「そんな結城さんが、わざわざ伝えてくれた気持ちを疑えるわけありません。
私も……結城さんが好きです。
気付いたら好きでした」
だから、例え結城さんの気持ちが今までしてきた恋愛と同じように軽いモノで一時(いっとき)だとしても。
それでも告白してきてくれた事がすごく嬉しいです。
そう続けた私に、結城さんは困り顔で微笑んで。
それから、膝の上に置いていた私の手を、上から包むように触れた。
「その疑惑は時間をかけて答えを見つけていくって事でいいですか?」
「……時間をかけて証明してくれるんですか?」
「はい。俺自身で」
手に触れていた結城さんの手が、身体をなぞるように上がって頬に触れる。
優しく包み込むような手が嬉しくて苦しくなっていると、指先が唇に触れた。
唇をたどる指に、苦しくなった胸がドキドキと期待して反応しだす。
「弁解を、まだ聞いていないんですけど……」
距離を縮めて顔をわずかに傾けた結城さんが、苦笑いを浮かべる。