狼系王子とナイショの社内恋愛
そのままベッドになだれ込んで、気付いたらカーテンの向こうは少し明るくなり始めていた。
いつの間に眠ってしまったのか分からなかったけど、それなりにまとまった時間寝た気がする。
身体はだるく感じるけど、睡眠不足によるものじゃないのは感覚で分かった。
カーテンを眺めて、何時だろうなんて考えてから隣に視線を移すと、結城さんに微笑まれる。
隣で寝ているのは触れる肌で分かっていたけど、まさか起きてると思わなかったから驚いた。
「……いつから起きてたんですか?
あ、もしかして、眠れなかったとか……?」
心配になって聞くと、結城さんは、いや、と笑って否定する。
外はうっすらと明るくはなってきてはいるけれど、まだまだ朝とは言えず、部屋の中は表情を読み取るのがやっとなくらいだった。
「俺もさっきまで寝てたから。起きたのは碧衣が起きる十分くらい前だし」
「そうですか……。
あの、私何時に寝たんでしょうか」
はっきりと何時に寝たのかを覚えていない。
何時だけじゃなく、いつの間に寝たのかも。
もしも行為の途中で寝落ちてたりしたら申し訳ないと思い恐る恐る聞くと、結城さんが笑う。