狼系王子とナイショの社内恋愛


「実は、三人で会って山川さんが席を外していた時、言い寄られもしたんですよ。
言わない方が山川さんと坂下さんの仲もこじれないだろうと思って、その時は山川さんには言いませんでしたけど。
その時の事があって、坂下さんが俺に興味があるのは分かっていたから近づきやすかったです」
「言い寄ったって……」
「山川さんと内緒で付き合わないかって。
こんな事言うのも失礼ですけど、多分坂下さんは彼女がいる男を狙うのが好きなんだと思いますよ。
以前も、派遣の他の子の彼氏を取ったとかで一時期話が出てましたから。
それが友達の彼氏でも関係なかったみたいですね」

結城さんは、山川さんをボロボロにするつもりなんだろうか、と思わず止めたくなる。

今話しているのは佐々山課長と私の噂を流した件なのに、言わなくていい事までずけずけと……。

でも、言っている事が事実なら坂下さんとはもう友達関係をやめた方がいいし、坂下さんの本性をいつまでも知らずに色々と相談するんじゃ山川さんが可哀想だし……。
そう思うと、結城さんを止めるべきなのかどうか考えてしまう。

結城さんは嘘をつかない人だし、きっと事実だろうから。


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