狼系王子とナイショの社内恋愛


「私が勝手に思ってるだけですけど、結城さん、もともと大人しく待ってられるタイプじゃないですし。
私が文句言っても怒っても、いつも好き勝手動いてたじゃないですか。
ネットカフェまで無理やりつけてきたり、大丈夫だって言ってるのに家まで送ったり」
「暴走して襲ったり?」
「襲いかかってきたくせに、急に怖がって私を避けたり」

まいったとでも聞こえてきそうな顔で笑う結城さんに、私も笑いながら続ける。

「そういう部分、全部が結城さんだから許せるし好きだと思えるんです。
多分私も、初めて彼氏ができた女子高生なのかもしれません」

女子高生だなんて図々しいっていうツッコミ待ちをしていたのに、結城さんは意外にも黙ってしまって。
不思議に思って見ると、わずかに顔を赤くした結城さんが、私からバツが悪そうに目を逸らした。

「……照れてますか?」
「不意打ちやめて欲しいって前言ったハズだけど」
「結城さんだって、よくそういう告白めいた事、冗談言うみたいに平気で言うじゃないですか。
私はその度ドキドキしてるんですから、結城さんも少しくらいこっちの気持ちを知るべきです」





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