狼系王子とナイショの社内恋愛


別に責めるつもりもないけれど。
結城さんみたいな人に好きだとか甘い言葉を投げられる私の気持ちを少しは分かってくれてもいいと思う。

その衝撃は、うっかり気を抜いてたら卒倒しちゃうんじゃないかって思うほどなんだから。

私が結城さんを意識し始めてからは衝撃も大きくなったし、それは付き合い始めた今でも変わらない。
免疫がつくどころか、言われる度に過敏になってしまっている気がするから、これはもう一種のアレルギーなのかもしれない。

そんな風に思いながら見ていると、結城さんは顔をしかめて言う。

「なんか誤解してるかもしれないけど、冗談言うつもりで言ってるわけじゃないよ。
まぁ、好きだとか言葉にして碧衣の反応を試してる部分はあるけど、全部本気だし」
「試してる?」
「碧衣が顔を赤くして嬉しそうにしてるのを見ると、俺を想ってくれてるのが分かって安心できるから。
もちろん、ただ伝えたいって思いもあるけどね」
「……私は、そんな簡単に気持ち変わったりしません。
だから、試すとかやめてください」
「それに、俺がどんな恋愛してきたか碧衣は知ってるから。
俺が好きだって何度伝えたところで信じてもらえないかもしれないって話を前しただろ?」


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