狼系王子とナイショの社内恋愛


こんな状況が今までずっと続いていたなら、俺の思い通りにいかない女なんていないぜ。みたいな思考になってしまってもまぁ仕方ないのかな。

私にはよく分からない世界だけど、結城さんは、あんな自意識過剰にも思える発言が許される世界で生きてきた人なのかもしれない。

完全なナルシスト発言に引いていたけど、そんな風に自己解決して消化する。

「そろそろ出ませんか?」

そうですねと答えた結城さんが席を立つ。
高級レストランって、テーブルに座ったままお会計ってイメージだったのに違うのかな、と思いながら結城さんの後ろを歩いていると、そのままお店の外に出てしまった。

だから、お会計忘れてます!と戻ろうとしたのに、結城さんは済ませたからと私を止めた。

「まさか、私が席外してる間に……?」

微笑んだ結城さんを、信じられない思いで凝視してしまう。

そんなドラマみたいな事する人が本当にいるなんて驚きだけど。
結城さんはそんな事をしてしまう人らしい。



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