狼系王子とナイショの社内恋愛
「色んな女性社員と遊んでるみたいですもんね。
あ、別にイヤミじゃないですけど」
そう付け足すと、結城さんが笑う。
「そうですか? 色んな女性社員と遊んでるって悪い風にしかとれなそうですけどね」
「……事実なんですか?」
「違うとは言えないかな。
俺の性格に問題があるわけだし」
「性格?」
「ひとりの人に入れ込めないんです。
入れ込めないっていうか、入れ込もうとした事がないって言った方が正しいですけど。
中学の頃には割と女に囲まれたりしてたから」
「……へー」
自慢にしか聞こえないけど、まぁこの顔なら仕方ない事なのかもしれないなと聞き流す。
「同級生に先輩に他校の子に。遊び放題だったから、それで味をしめて、それからずっとそんな感じで。
ちゃんとひとりの子と付き合ってる友達とかを見るとたまに羨ましくもなるけど、面倒な事も多そうだし」
「なるほど。それでおいしいどこ取りだけしてるんですか」