狼系王子とナイショの社内恋愛


恐る恐る聞くと、ふっと悪い笑みを落とされる。

「そうですね。そうしておきます」

席を入れ替わった結城さんが、キーボードに検索ワードを打ち込んで検索を始める。
液晶画面に照らされる横顔を眺めながら、整った顔してるなーなんて事を今更思った。

この人に貸しを作るのはあまり気が進まないけれど、自分でお店を探すのはもっと気が進まないんだから仕方ない。

結城さんが言うには偶然らしいけど、今日一緒にここにきて結果的にはよかった。
私ひとりだったら、二時間無駄にするだけだったから。

「ありがとうございます」

呟くように言うと、結城さんの視線が私をとらえる。
そして、優しく微笑まれた。

「それ、今観てるDVD、営業先で話題になってるヒーリングのDVDです」
「ヒーリング?」






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