狼系王子とナイショの社内恋愛
「カップルシート使った男に電話番号渡すなんて随分度胸がある子ですね。
しかも高橋さんづてに」
「お会計の時聞かれたんです。恋人同士かどうか。
会社の同僚だって事を言ったら、じゃあお願いできますかって渡されて。
お店入った時からあの子結城さんの事見てましたもん。
気付いてなかったんですか?」
私でも気づくくらいに熱視線を送ってたっていうのに。
しょっちゅうなので、といたずらに笑う結城さんに呆れて笑いながら帰路につく。
金曜日とかならまだこの時間帯でも道は人でにぎわっているけれど、さすがに週を半分ほど残している今日は人が少ない。
星が小さく瞬く空を見上げながら歩いていると、隣を歩く結城さんがポケットから携帯を取り出して私を見た。
「よさそうなお店何軒か見つけたので、携帯に残したんですけどどうしますか?」
「あ、すみません。えっとじゃあ会社の私のアドレスに送ってもらってもいいですか?」