狼系王子とナイショの社内恋愛
「会社のは多分規制かかってて無理かと。
迷惑メールだとかの対策で、確かアドレスの入ったメールは受信できないよう設定されていたと思うんですが……。
試しに送ってみますか?」
「あー、そうだったかも。
じゃあ……」
じゃあどうしよう。
携帯に送ってもらうのが一番早いしいいんだろうけど、なんとなくためらってしまう。
そんな私に気づいたのか、結城さんが笑う。
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。
ストーカーみたいな真似はしませんから」
「え……あ、違うんです。
ためらったのは、結城さんがどうこうじゃなくて私の問題です。
すみません」
不愉快な気持ちにさせてしまった事を謝ると、不思議そうな顔した結城さんがどういう事か聞く。
「恥ずかしいんですけど、私、今まで男の人とアドレス交換とかしたのって付き合ってる人とだけだったんです。
だから、最後に登録したのって課長で……。
それを上書きしちゃうのが、なんだか複雑になっちゃって」