+悪魔の咎め+






「……。」


「ん?…ああ、悪い。汚かったか。」



スッと離れた手を私はとっさに掴んだ




「……。」


「……。」





この手…この手っ……なんだろう、


すごく…すごく…心が締め付けられる。





「この手っ…、」


「……。」





ゆっくりと手は離れ、

私の頬におそるおそる触れた

腫れ物を触るかのように。






「…結愛、」


「……。」




冷たくひんやりとした悪魔の手は

どことなく私を安心させた。







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