+悪魔の咎め+
「覚えてない?」
「加害者と君のお母さんとの接点はなにもない。しかも加害者には危害を加える理由もない。」
カァっと頭に血が上る
「っ!!?」
「落ち着いて、結愛ちゃん。」
若い男の人は私をなだめる
「っ…理由もなく、お母さんを刺したんですか?こんな姿になるまでっ?」
ふうっとため息をつく
となりに立つ叔父さんだ。
「6回だ。」
「……?」
「国枝さんっ!!」
「6回、彼女に向かって刺した。命中したのは1回。綺麗に心臓の横に刺さっていたよ。」
「っ!!!!!???」
この人っ!!!!!
「君は可笑しいと思わないか?」
「…なにがっ!あなたは!!」
「周りから話を聞くと加害者の男性はとち狂ったかのように彼女に刺していたそうだ。」
叔父さんはぐっと眉を寄せる
「最後の一撃だけ、正気に戻ったかのように…いや、完璧に取りつかれたかのように、彼の身体は大きく彼女の胸に向かってブレなく、刺したらしい。」
ぞわりと身体中が震えた。