こっち向けよ





「じゃ、俺は部屋に行くわ。」



せめて距離を取って落ち着こう。



薄暗い廊下はいつもより寒くて、リビングの明かりが日だまりに見えてしまうのはきっと気のせいじゃない。



舞のそばが俺にとって特別なんだから…



舞はきっと、そんなこと知らないんだろうけど。



この世に生を受けて、初めて友達になった女の子。



初めて笑いあった女の子。



初めて喧嘩して泣きあった女の子。



初めて好きになった、女の子。





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