こっち向けよ





「なんだじゃないわよ、どうしたの?」



ただいまの言葉を忘れて今の状況に驚きを隠せない母さんは、俺とまだ眠っている舞を交互に見やる。



どこから説明すればいいのか…



いーや、最初から話そう。



「舞に客間で寝ろって言ったら、『あんな綺麗なところ申し訳なくて眠れない』って言われて、仕方なく俺のベッド貸して俺はリビングのソファで寝ようとしたら、『それこそ無理』って言われて、最終的にリビングで、ソファを舞が使って、俺は床で寝る形になったってわけ。」



包み隠さず話したところ、母さんは相づちも打たずに口をポカーンと開けていた。



「母さん…?」



話し終わっても反応がない。



「はぁ~~~~~…」



やっとしゃべったと思ったら深すぎるため息をつかれた…





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