こっち向けよ





手伝いと言っても、私が脱いだ服を丁寧に畳んで、私が着るワンピースを着せてくれるくらい。



これなら自分でできたよ…



脱いでいる姿を3人が見ているということが恥ずかしかった。



でも3人とも、スタイル良いですねとかこちらには初めていらしゃいましたよねとか、まるでショップ店員みたいなことを話してくれて、心が少し和らいだ。



「可愛いワンピースですね…」



鏡に映るワンピースに見惚れる。



真っ白なのに、胸元や全体にデザインの違うレースがついていて、裾はヒラヒラと動く度に揺れる。



Aラインだから窮屈じゃないし。



生地はなんだろう…肌触りがいい。



「それからこちらを」



おばあちゃんメイドは、茶色のヒール靴を差し出した。



高すぎないヒールに、白いリボンがついた可愛らしい靴。



履いてみると、ワンピースにぴったりだった。





< 139 / 226 >

この作品をシェア

pagetop