こっち向けよ
噛み締める
忌々しい朝だ──
今日から高三。
昨日はよく眠れなかった。
それは、舞の悲しそうな顔を見たせいか、今年のクラスに“かっこいい人”がいたら困るからか、はたまた両方か…
「はぁ…」
相変わらず朝から溜め息。
舞は俺の悩みの種だな…
ピンポーン…
「おはようございま~す」
そうこうしているうちに舞が来てしまった。
小学生から、朝と夜は一緒にご飯を食べている。
ウチと舞んちで決めたらしい。
舞は一人っ子で一緒に食べる人がいないから、ウチから申し出たんだとか。
…素晴らしい親だ。