こっち向けよ
素直に思ったことを伝えると、「それは良う御座いました。」と深く刻まれたシワを更に深くして微笑んでくれた。
お姉さんメイドの2人も「光栄です」と笑顔で言ってくれて、たとえそれが建て前だとしても嬉しく思えた。
「ちょうどお時間で御座います。」
3人に丁寧にドアへ案内されて、ドデカいクローゼットの部屋を出ると森さんが待機していた。
そういえば、このオシャレはお祖父様との食事のためだったんだよね…
愁に見せたかったな。
すごく寂しくなったけど、今は背筋を曲げちゃ駄目なんだ。
家に帰ったら思う存分浸ろう!
グッと拳を握って、前を見据えた。