こっち向けよ





「久しいな、舞。元気だったか?」



「はい。お祖父様もお元気そうで何よりです。」



無駄に広くて派手な部屋にながーいテーブル。



お祖父様は森さんに、私はさっき挨拶した初見の時任さんに、椅子を引かれて腰掛けた。



こんな長いテーブルなのに、いわゆる誕生日席にお祖父様が座って、私はその右の角に座っている。



広すぎて落ち着かないな…



「舞、早速だが話に入らせてもらう。」



前菜を頂いているうちから話を始めるなんて、随分急いているような。



「はい。構いません。」



持っていた箸を箸置きに置こうとすると、食事を続けて良いと言われたので漬け物を口に運んだ。



どうやらメインは和食らしい。


なんて考えながら。





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