こっち向けよ
「ふぁ~…」
家を出ると舞がでかいあくびをした。
「眠れなかったの?」
おやすみ三秒のハズなのに、眠いとか…
「うんー」
眠い目をこすっているせいか、足取りはおぼつかない。
「だって…クラス替えだよ?愁と離れちゃうだろうし…」
シュンと小さくなる。
俺と離れるのが不安で眠れないとか…反則。
可愛い生き物…
「俺らはクラス離れたって一緒に登校とかするだろ」
ったく、俺は舞が嫌がっても一緒にい…
「まね。そりゃあ愁とは接点あるからね。でもさ、せっかく仲良くなった子と離れたときに愁がいなきゃ私、ボッチじゃん!」
一緒にいる…けど…
「知るか。俺を保険にするな」
上げて下げやがって。
一緒に居てやんねーぞ?
いるけど。
「イテッ」
デコピンしてやった。