こっち向けよ

それとこれじゃ






結局交際は続行、結婚の日程も三年後にも関わらず決まり、日が沈み始めた頃に解放された…



「この間は、本当にごめん。」



…わけなく。



時任グループのホテル内のレストランで時任真紘とディナーをすることに。



「…それはもう、どうでもいいから。いいよ。」



無表情で答える私に対して、時任くんは表情を凍らせた。



「そう…あのさ、」



「なに?」



「またスイートルームに連れて行きたいんだけど…」



「わかった。」



ナイフとフォークでジャギジャギ羊肉を切っては頬張り切っては頬張り…



どうにでもなれって思った。



生憎心はとっくに愁にあげてあるのでね。



もういいよ、どうでも…





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