こっち向けよ
「お前もあいつらと同じになりたいのか?こんなことをして。」
仕方なく発した声は、冷たく響いた。
「いいえ、私は貴方自体が欲しい。過去を言ったのは、そんな貴方でも私は好きって伝えたいからよ。」
「いらねーよ。」
どうやら薬が切れて来たらしい。
手が動かせるようになっている。
次は腕だ、早くしろ。
「ねぇ、舞はね、私を裏切ったの。」
こんな奴、大切にする価値ねーじゃん。
「舞が彼氏を作るって言い出したのはね、私が貴方を好きだって言ったから。」
「お前のせいかよ、ふざけんな。」
「なによ、どうせ出来レースなんだし、ちょっとくらい悪あがきさせてくれても良いじゃん。」
「迷惑には変わんねーだろ。」