こっち向けよ





「ん…」



ふと彼女は寝返りを打つ。



覚醒する前触れだ。



そっと彼女から離れて、カーペットの上に座り携帯をいじる。



「ふぁあ……」



起きたようだ。



少し残念で、自然と肩が落ちる。



「眠い…」



背後でそう唸る彼女は体を起こしたのにまたパタリとソファに身を預けた。



「今何時?」



不意に言葉を投げられた。



「…17時くらい」



冷静を装って声を投げ返した。




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